
頭頂部やつむじの薄毛は、自分では確認しづらい一方で他人の視線が集まりやすいため、コンプレックスになりやすい部位です。
「電車で座っていると、前に立っている人の視線を頭頂部に感じる」
「エスカレーターでは、後ろの人が頭頂部を見ているんじゃないかと気になってしまう」
こうした悩みをどうにかしたいと考え、根本的な解決策となり得る自毛植毛を検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、頭頂部やつむじへの自毛植毛は、生え際など他の部位と比較して難易度が高いと言われています。
本記事では、頭頂部やつむじへの自毛植毛が難しいとされる理由や、自毛植毛する場合に必要な株数の目安、手術後に後悔しないための注意点や、ご自身に合ったクリニック選びのポイントまで解説します。
頭頂部やつむじへの自毛植毛を検討されている方にとって役立つ記事となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
コンテンツ目次
頭頂部やつむじへの自毛植毛の特徴

頭頂部やつむじへの自毛植毛は、生え際(M字部分)などへの植毛とは異なる難しさや注意点があります。
自然な仕上がりをめざすためには、この部位特有の性質を事前に理解しておくのが大切です。
頭頂部の自毛植毛は難易度が高い?
頭頂部への自毛植毛は他の部位に比べて難しいとされています。
その理由は主に2つあります。
1.比較的多くの株数を高密度に植える必要がある
頭頂部は面積が広く、薄毛が広範囲に及びやすい部位です。
そのため、薄毛が気にならないレベルまで密度を回復させるためには、多くの株数を高密度に移植する技術が必要になります。
2.複雑な毛流れを再現しなくてはならない
特につむじ周りは、髪がうずを巻くように生えており、その毛流れは一人ひとり異なります。
この自然な流れを忠実に再現しながら植え込まなければ、周囲の髪と馴染まず不自然な印象になります。
このように、頭頂部やつむじの自毛植毛は難易度が高いと言われ、高い技術力が必要になります。
生え方や毛流れに合わせた自然なデザインが必要
頭頂部、特につむじ周辺は毛流れが非常に複雑です。
そのため、自毛植毛を行う際には、元々の髪の生え方を再現するようなデザイン力が求められます。
ただ密度を高める目的だけで髪を植えてしまうと、周囲の毛と馴染まず、不自然な印象を与えてしまうかもしれません。
一人ひとりのつむじの位置や毛流れを見極め、どの角度に、どの向きで、どのくらいの密度で移植するのかを判断しながら施術を進めていく必要があります。この細やかな作業が、自然なボリューム感のある仕上がりにつながります。
つむじの植毛に必要な株数の目安とは?
自毛植毛で移植する毛髪の単位を「株(グラフト)」と呼びます。1株あたりおよそ1本から4本の毛が生えています。
つむじ周りの植毛で必要となる株数は薄毛の範囲によって異なりますが、目安を挙げると以下になります。
薄毛の範囲 | 必要な株数の目安 |
つむじ周辺の限定的な範囲 | 1,000株程度 |
つむじを含む頭頂部全体 | 1,500〜2,000株程度 |
ただしこれらはあくまで目安のため、実際にあなたに必要な株数は、植毛クリニックで医師のカウンセリングを受けると診断してもらえます。
頭頂部・つむじの薄毛に悩んでいませんか?|セルフチェック項目

本章では、頭頂部やつむじの薄毛が進行している可能性のある2つのサインを紹介します。
- 地肌が透けて見える・分け目が目立つようになった
- つむじのボリュームがなくスタイリングしづらい
これらのサインに気づいたらいち早く薄毛対策を行うようにしましょう。
地肌が透けて見える・分け目が目立つようになった
鏡や写真で自分の頭頂部を見たときに、つむじを中心に地肌が見える範囲が広がっていたり、他の部位に比べて髪の密度が低く感じる場合、薄毛が進行している可能性があります。
AGA(男性型脱毛症)は、一般的に側頭部や後頭部の髪には影響が出にくいとされているため、それらの部位の髪と比べて頭頂部の密度が低下していると感じるなら、AGA外来での相談を検討しましょう。
つむじのボリュームがなくスタイリングしづらい
髪をセットする際に「つむじ周りの髪がぺたんとして、ボリュームが出にくい」「スタイリングが以前のように決まらない」と感じるようになった場合も注意が必要です。
薄毛が進行すると、髪の毛一本一本が細くなるため、髪全体のハリやコシが失われ、根元から立ち上がりにくくなり、スタイリングがしづらくなります。
スタイリングに時間がかかる、髪型が維持しにくいといった変化も、薄毛進行のサインかもしれません。
頭頂部・つむじが薄毛になりやすい理由と主な原因

なぜ頭頂部やつむじは薄毛になりやすいのでしょうか。
本章では以下の3つの理由について紹介します。
- AGA(男性型脱毛症)の影響
- つむじは毛流れが複雑で負担がかかりやすい
- 生活習慣の乱れ(ストレス・睡眠・食事・運動)
これらがどのように頭頂部やつむじの薄毛に影響を及ぼしているのか、順番にみていきましょう。
AGA(男性型脱毛症)の影響
頭頂部やつむじの薄毛を引き起こす主な原因の一つが、AGA(男性型脱毛症)です。
AGAは、男性ホルモンの一種である「テストステロン」が、特定の酵素と結びつくことで作られる「DHT(ジヒドロテストステロン)」の作用によって引き起こされると言われています。
このDHTが毛根の受容体と結合すると、髪の成長期が短くなり、髪が太く長くなる前に抜け落ちてしまいます。
このサイクルが何度も繰り返され、徐々に薄毛が進行していくのです。
そしてこのDHTの受容体は、特に頭頂部や前頭部に多く存在するため、AGAを発症するとこれらの部位から薄毛が目立ちやすくなります。
AGAは日本人男性の約3人に1人が発症するというデータもあり、決して珍しい病気ではありません。
参照:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」
つむじは毛流れが複雑で負担がかかりやすい
つむじは、その構造上、物理的な負担や外部からの刺激を受けやすい部位です。
髪が渦を巻くように生えているため、シャンプーの際にゴシゴシと強く洗うなど、日々のヘアケアが意図せず毛根に負担をかけてしまう場合もあります。
また、頭頂部は身体の中で一番高い位置にあるため、紫外線の影響を直接受けやすいです。
紫外線は頭皮の乾燥や炎症を引き起こし、健康な髪の成長を妨害する一因と言われています。
そのため、日常的に帽子をかぶる習慣がない方は、知らず知らずのうちに紫外線によるダメージを蓄積させているかもしれません。
生活習慣の乱れ(ストレス・睡眠・食事・運動)
日々の生活習慣も髪に大きな影響を与えます。
例えば、以下のような習慣があると、髪に悪影響を及ぼす可能性が高いです。
・睡眠不足
髪の成長に欠かせない成長ホルモンは、私たちが眠っている間に最も多く分泌されます。
そのため、夜更かしが続いて十分な睡眠がとれていないと、髪が成長しにくくなります。
・偏った食事
髪も体の一部なので、日々の食事が土台となります。
髪の主成分であるタンパク質はもちろん、ビタミンやミネラルが不足すると、健康な髪は育ちにくくなります。
・運動不足
体を動かさないと全身の血の巡りが悪くなり、その影響は頭皮にも及びます。
血行不良に陥った頭皮には、髪を育てるための栄養や酸素が十分に行き渡らなくなり、結果として薄毛につながることがあります。
・過度なストレス
強いストレスは血管を収縮させ、全身の血行を悪化させる一因となります。
頭皮の血行も悪くなるため、髪の成長に必要な栄養が届きにくくなり、薄毛の原因となることがあります。
こうした生活習慣は一つひとつは些細なものですが、いくつも絡み合うことで、頭頂部の薄毛を引き起こす可能性があります。
後悔しないために知っておきたい自毛植毛の注意点

自毛植毛は薄毛に対する有力な選択肢ですが、手術を受ける前に知っておきたい注意点があります。
事前に正しい知識を持つことが手術後に後悔しないために重要です。
- 手術後に一時的脱毛やショックロスが起こることも
- 頭頂部は効果の実感に時間がかかるケースがある
- 信頼できるクリニック選びが成功のカギ
本章で紹介する3つの注意点を押さえ、後悔のない選択をするための知識を身につけましょう。
手術後に一時的脱毛やショックロスが起こることも
自毛植毛の手術後、およそ1ヶ月から3ヶ月ほどの間に、移植した髪の毛が一時的に抜け落ちる「一時的脱毛」という現象が起こる場合があります。
このとき、毛根は頭皮に残っており、時間が経つことでそこから新しい髪が生えてきます。
また、移植した部位の周りにもともと生えていた髪の毛が抜けてしまう「ショックロス」という現象もあります。
これは手術による頭皮への刺激が影響していると考えられていますが、こちらも一時的なものである場合がほとんどです。
これらの現象は一時的とはいえ髪が減るため不安になるかもしれませんが、多くの場合、半年ほどで再び発毛するため、過度に心配せず、経過を見守るのが大切です。
頭頂部は効果の実感に時間がかかるケースがある
自毛植毛の効果は、一般的に半年から1年ほどで実感される方が多いですが、頭頂部はその変化を感じるまでに少し時間がかかる場合があります。
その理由は主に2つあります。
1. 血流の問題
頭頂部は、他の部位と比較して血流が少ない傾向があります。
髪の成長に必要な栄養素は血液によって運ばれるため、血流が悪い部位では髪の成長スピードも緩やかになります。
2. 髪の生え方の問題
つむじ周辺の髪は、放射状に広がるように生えています。
これにより、生え際のように髪同士を重ねてボリューム感を出しにくく、発毛していても見た目の変化を実感しにくいという特徴があります。
これらの理由から、頭頂部は効果の実感に時間がかかる場合はありますが、焦らずにじっくりと経過を見守ることが大切です。
信頼できるクリニック選びが成功のカギ
自毛植毛の満足度は、どのクリニックを選ぶかに大きく左右されると言えます。
特に、繊細な技術が求められる頭頂部の植毛で納得のいく結果を得るためには、慎重なクリニック選びが大切です。
以下の点を確認し、信頼できるクリニック選びの参考にしてください。
・医師や経験と技術力
頭頂部の植毛に関する症例数は豊富か、実績を具体的に示しているか。
・院内の環境、設備
院内は清潔に保たれているか、医療設備は整っているか。
・カウンセリングの質
医師が直接カウンセリングの対応を行い、メリットだけでなくリスクやデメリットも丁寧に説明してくれるか。こちらの質問に、納得できるまで向き合ってくれるか。
・デザイン力
現在の薄毛の状態だけでなく、将来の変化まで見据えた自然なデザインを提案してくれるか。
・アフターケア体制
術後の定期的な検診や、万が一のトラブルへの相談窓口など、サポート体制が整っているか。
費用やアクセスの良さだけで安易に選ぶのではなく、これらの点を総合的に見て、「ここなら安心して任せられる」と感じるクリニックを選ぶことが、クリニック選びでは重要です。
まとめ|頭頂部・つむじの自毛植毛は原因に合わせた対策が重要
本記事では頭頂部やつむじの自毛植毛について解説しました。
頭頂部の薄毛は、AGAの影響を受けやすく範囲も広がりやすいため、その治療には多くの株数と、毛流れを再現する高度な技術が求められます。
このような特性があるため、頭頂部の植毛が難しいとされる理由です。
だからこそ、手術を受ける側も、一時的な脱毛などのリスクや、効果実感までにかかる時間といった注意点を正しく理解しておく必要があります。
そして、これらの難しい施術を安心して任せられる、信頼できるクリニックを見極めることが何より重要です。
まずはご自身の状態を正確に知るために、植毛クリニックの無料カウンセリングに足を運んでみてはいかがでしょうか。
あなたの現状や今後について、具体的に教えてくれるはずです。