
根本的な薄毛の解決策として大きな期待を寄せる方が多い自毛植毛ですが、その一方で「こんなはずではなかった」という後悔や、残念な結果に終わったという声が存在するのもまた事実です。
高額な費用をかけたのに理想とはほど遠い結果になってしまっては、精神的なダメージは計り知れません。
本記事では、自毛植毛で起こりうる失敗にスポットを当て、後悔した方たちに共通する点や、失敗を避けるために知っておくべきクリニック選びの極意を、包み隠さずお伝えします。
ぜひ最後までご覧ください。
コンテンツ目次
自毛植毛の失敗例|実際にあった悲惨な後悔談

自毛植毛の手術を受けたものの、期待していた結果が得られず後悔してしまうケースは残念ながら存在します。
本章では、以下3つの代表的なケースをご紹介します。
- 不自然な生え際になったケース
- 傷跡が目立ってしまったケース
- 術後にハゲが広がったケース
それぞれのケースについて、詳しくみていきましょう。
不自然な生え際になったケース
自毛植毛の失敗で最も人の目につきやすいのが生え際の仕上がりです。
生え際が不自然になってしまう主な原因として、移植した毛根が頭皮にきちんと根付く「生着率の低さ」があります。
技術力のある医師であれば、植毛に適した毛根(ドナー)を的確に見抜き、スピーディーかつ丁寧に移植するため、高い生着率が期待できるでしょう。
しかし、医師の技術や経験が伴っておらず、適していない毛根を使用した場合、多くの毛根が定着せずに抜け落ちてしまうかもしれません。
その結果、密度がまばらでスカスカの生え際になってしまう可能性があります。
また、生え際のラインがまるで定規で引いたような一直線だったり、髪の生える角度が周りと馴染んでいなかったりすると、まるで作り物のような不自然な印象を与えてしまう場合もあります。
傷跡が目立ってしまったケース
自毛植毛は後頭部からドナーを採取する際に、どうしても傷跡が残る可能性があります。
以下表に、FUT法とFUE法の採取方法や傷跡の特徴についてまとめました。
術式 | 採取方法 | 傷跡の特徴 |
FUT法 | メスで頭皮を帯状に切り取る | ・後頭部に横一文字の線状の傷跡が残りやすい ・髪を短くすると目立つ可能性 |
FUE法 | 専用のパンチで毛根をくり抜く | ・点状の傷跡が残る ・医師の技術が未熟だと、広範囲に残り不自然になる可能性 |
FUT法は、頭皮を帯状に切り取る術式では後頭部に横一文字の線状の傷跡が残りやすいと言われています。
一方、FUE法は、FUT法に比べて傷は目立ちにくいとされていますが、医師の技術が未熟だと点状の傷跡が広範囲に残り、かえって不自然に見えてしまう可能性もゼロではありません。
自毛植毛は外科手術である以上どうしても傷跡は避けられませんが、医師の技術力不足によって目立つ傷跡になるリスクがあることを理解しておく必要があります。
術後にハゲが広がったケース
「植毛した部分は生えてきたが、その周りから薄毛が進行し、余計におかしくなってしまった」といったケースもあります。
自毛植毛で移植した髪は、AGA(男性型脱毛症)に強い性質を持つため、その場に留まりやすい傾向があります。
しかし、「もともと生えていた髪」は、AGAの進行とともに薄くなっていく可能性があるのです。
何の対策もせずに放置すると、植毛した部分は残りその周りは薄くなっていく、いわゆる「離れ小島」のような見た目になってしまいます。
また、手術の刺激で植毛した周辺の髪が一時的に抜ける「ショックロス」が起きる場合もあります。
ショックロスの多くは一時的ですが、知らなければ「手術は失敗だったのではないか」と、大きな不安を感じてしまうのも無理はありません。
自毛植毛で後悔する人の3つの共通点

ここで、自毛植毛を受けて後悔する方によくある以下、3つの共通点を紹介します。
- クリニックの症例数を調べない
- 安さを優先して経験不足の医師を選ぶ
- リスク説明や仕上がりイメージを理解せずに契約する
高額な費用を払って取り返しのつかない後悔をしないために、失敗した人たちの共通点を学んでおきましょう。
クリニックの症例数を調べない
自毛植毛の満足度は、医師の経験と技術力に大きく左右されるといっても過言ではありません。
しかし、後悔している人の多くが、クリニックの公式サイトなどで公開されている症例数をきちんと確認しないまま契約してしまっています。
自毛植毛の症例数の多さは、多くの患者から信頼され、経験を積んできた証であり、信頼できるクリニックかどうかを測る、大切な物差しになります。
自分の状態に近い症例写真を見ておけば、術後のイメージも具体的につかめるはずです。
この一手間を惜しむと、経験の浅い医師に当たってしまうリスクが高まります。
安さを優先して経験不足の医師を選ぶ
「少しでも安く済ませたい」と思ってしまう気持ちはよく理解できますが、安さだけでクリニックを選ぶのはあまりにも危険です。
自毛植毛は自由診療のため、費用はクリニックによって様々ですが、料金が安すぎる場合は、経験が浅く技術力の低い医師が執刀している可能性があります。
自毛植毛は、毛根を一つひとつ採取し、手作業で植え付けていく非常に繊細な手術です。
医師の経験が浅く未熟な場合、採取するドナーを傷つけたり、移植の際に適切な深さや角度で植え付けられなかったといったリスクが高まります。
その結果、移植した毛の低い生着率や、毛の流れがバラバラで見た目が不自然といった取り返しのつかない事態を招きかねません。
安さを優先した場合このようなリスクがあるため、医師の経験や技術力を最優先に考えるべきです。
リスク説明や仕上がりイメージを理解せずに契約する
カウンセリングの場で、手術のリスクや、仕上がりの限界について、自分の中で消化しきれないまま契約してしまうのも、後悔への入り口です。
本当に患者のことを考えているクリニックであれば、傷跡やショックロスの可能性、生着率は100%ではない事実など、耳の痛い情報もしっかり伝えてくれるはずです。
しかし、契約を急ぐあまりそうした説明を理解しないまま、綺麗な症例写真だけを見て「自分も絶対こうなれる」と夢見てしまうと、「こんなはずじゃなかった」と理想と現実のギャップに頭を抱えてしまう可能性があります。
安易な決断で後悔しないためにも、少しでも疑問や不安があればその場で契約せず、一度持ち帰って冷静に検討してから契約しましょう。
自毛植毛で後悔しないために絶対に知っておくべきこと

自毛植毛での後悔を避け、心から満足できる結果を手に入れるためには、事前の情報収集と慎重な行動が何より大切です。
本章では、自毛植毛を後悔しないために知っておきたいポイントを解説します。
失敗するクリニックの特徴
もし、あなたが検討しているクリニックに次のような特徴があったら、一度立ち止まって考えてみるのをおすすめします。
・症例写真が極端に少ない、または画質が不鮮明
症例数が少ない、もしくは何か見せたくない部分があるのかもしれません。
・料金体系が不透明
ホームページに明確な料金がなく「〇〇円〜」といった曖昧な表示しかない場合、後から高額な請求をされる可能性があります。
・リスクの説明をしない
メリットばかりを並べ立て、傷跡や生着率といったネガティブな情報に触れないクリニックは誠実なクリニックとはいえないでしょう。
・カウンセリング当日の契約を強引に迫る
「今日だけ割引価格です!」といった言葉で決断を急がせるのは、患者のことよりも売上の方が大事と考えているクリニックの可能性があります。
カウンセリングで必ず確認するべきポイント
無料カウンセリングは、そのクリニックが信頼して自毛植毛を任せられるかどうかを見極める絶好のチャンスです。
納得できるまで遠慮なく質問し、特に以下の点は必ず確認しましょう。
・担当医師の実績
「私の手術を担当してくださる先生は、これまでどんな症例を手がけてきましたか?」など、経歴や自分と似たケースの経験を具体的に確認しましょう。
・デザインのシミュレーション
あなたの希望を伝えた上で、どんな生え際になりそうか、密度のイメージはどうか、具体的なシミュレーションをしっかり聞かせてもらいましょう。
・総額費用と内訳
手術代はもちろん、検査代、薬代、アフターケア代など、最初から最後までにかかる全ての費用を見積書として出してもらいましょう。
・術式とそれに伴うリスク
そのクリニックが行う術式のメリット・デメリット、そして傷跡は、具体的にどんな形で、どの程度残る可能性があるかを、踏み込んで聞いてみましょう。
・アフターフォロー体制
術後の検診はいつあるのか、万が一のトラブルの際の保証はどうなっているかなど、具体的なサポート内容を確かめておきましょう。
口コミや症例画像の正しい見方
ネット上の口コミや症例写真は、今や欠かせない情報源です。
しかし、その情報を鵜呑みにするのは危険です。
良い口コミだけでなく、悪い口コミもチェックしたうえで、なぜその評価になったのか、その背景まで考えましょう
また、症例写真を見る時は、ビフォーアフターで照明や髪の濡れ具合が違わないか、髪を寄せてボリュームがあるように見せていないかなど、冷静に観察しましょう。
一つの情報を信じ込まず多角的に情報を集めるのが、情報に踊らされないための鉄則です。
自毛植毛以外の選択肢|失敗を避ける方法は?

視野を広く持てば、薄毛克服の道は一つではありません。
自毛植毛のリスクをきちんと理解した上で、他の選択肢も検討してみましょう。
増毛・ウィッグという選択肢
手術にはどうしても抵抗がある、あるいは、すぐにでも見た目を変えたい場合には、増毛やウィッグも有効な選択肢です。
以下表に、増毛・ウィッグのメリットとデメリットについてまとめてみました。
メリット | デメリット |
・手術が不要で、身体への負担がない ・すぐに見た目を変えられる | ・定期的なメンテナンスが必須 ・長期的に見ると費用がかさむ可能性がある |
増毛やウィッグはメスを入れることなく、体への負担もありません。
ただし、定期的なメンテナンスが欠かせず、長い目で見ると費用がかさんでいく可能性はあります。
植毛を経験した方の中には、最終的にウィッグを選び、「最初からこちらを真剣に考えればよかった」と考える人もいるようです。
AGA治療薬で進行を止める方法
もし、あなたの薄毛がAGA(男性型脱毛症)によるものなら、まずは治療薬で進行にブレーキをかけるのが基本戦略です。
フィナステリドやデュタステリドといった内服薬は、AGAの原因にアプローチし、抜け毛を減らす効果が期待できます。
せっかく植毛で髪を増やしても、周りの髪が抜けていってしまっては、元も子もありません。
植毛をする、しないにかかわらず、薄毛と向き合うならAGA治療薬の服用は検討すべきです。
自毛植毛を後悔している人のリアルな体験談
ブログやSNSなど、ネット上には自毛植毛を経験した方の様々な声が見られます。
その中には、次のような「自毛植毛をやって後悔した」というような切実な声もあります。
・高額な費用をかけたのに、期待したほど髪は増えず、後頭部にはくっきりと手術の跡が残った
・術後の痛みに加え、感覚の鈍さがずっと残っている
参考:自毛植毛して後悔した事をこのブログで伝えます。【10年後の俺はカツラになった】
このような経験者の声は、冷静な判断をするための貴重な材料になります。
自毛植毛で後悔しないためのQ&A

最後に自毛植毛を考えるときに誰もが抱くであろう疑問に、Q&A形式でお答えしていきます。
自毛植毛の失敗率はどれくらい?
失敗率を「移植した毛が生着しない確率」と定義した場合、その確率は一般的に10%前後といわれています。
つまり、1000グラフトを植毛した場合、900グラフト前後が定着すると期待できます。
ただし、この生着率はあくまで目安の数字です。
医師の技術や経験、術後のケア、そして患者自身の体質によって、この割合は大きく変動します。
そのため、生着率をなるべく高めようと追求する姿勢が、後悔しないためには重要です。
自毛植毛はやめた方がいい人とは?
薄毛治療の選択肢として有力な自毛植毛ですが、誰にでもおすすめできるわけではありません。
特に以下のような方は、一度立ち止まって慎重に考える必要があります。
・ドナーとなる後頭部や側頭部の髪が十分にない方
移植するための髪がなければ、そもそも手術ができません。
・AGAの進行が非常に速い、または広範囲に及んでいる方
植毛してもすぐに周りとの差が目立ってしまう可能性があります。
・非現実的な期待を抱いている方
若い頃のようなフサフサな状態に完全に戻るわけではありません。
仕上がりには限界があると受け入れられないと、後悔につながりやすくなります。
自毛植毛後の後遺症はある?
後遺症が起こる可能性はゼロではありません。
前述の通り、手術した部分の痛みや、感覚が鈍くなるしびれ症状が続くケースも報告されています。
また、FUT法では後頭部に線状の傷跡が残る可能性があります。
手術である以上リスクはゼロではないため、この当たり前の事実を心に留めておきましょう。
まとめ|自毛植毛は失敗談から学んで後悔しない選択を
自毛植毛は、信頼できるクリニックで正しく行われれば、あなたの長年の悩みを解決に導く可能性を秘めています。
その一方で、不自然な仕上がりや傷跡、植毛部分以外で進行する薄毛に後悔する方もいます。
後悔した人たちの多くには、情報収集の甘さ、安易な価格での決断、リスクの軽視といった共通点がありました。
本記事で紹介した失敗談は決して他人事ではありません。
これからあなたが踏み出す一歩が後悔につながらないようにするために、症例が豊富で、信頼できるクリニックを見つけ出す努力を惜しまないようにしましょう。
料金や知名度といった表面的な情報に惑わされず、複数のクリニックに足を運び、ご自身の目で医師の技術力や人柄、そして相性を見極めてください。
経験者の後悔から学び、慎重に行動することで、あなた自身が心から納得できる選択ができるようになるはずです。