AGAと自毛植毛は奇跡の相性!?【医師監修】

2024.09.26

2024.09.26

Information

自毛植毛は、薄毛に悩む多くの人々にとって有効な唯一の根本的な治療法です。

植毛手術の定着率を上げるには、移植した毛髪が健康に成長していくための血液供給が不可欠となります。

この記事では、

・血液供給を行う毛細血管と自毛植毛との関係性
・AGA治療薬のミノキシジルと自毛植毛の相性

について解説していきます。

毛細血管の働き

自毛植毛で移植した毛髪は、時間とともに血小板の働きによって頭皮と接着し、毛細血管が形成されます。

毛細血管には以下の働きがあります。

・酸素・栄養供給
・老廃物の排出

これらの形成により血液が行き渡り、栄養を受け取れるようになります。

毛細血管の「酸素・栄養供給」としての役割

毛細血管は、毛包(毛根)に酸素と栄養素を供給する役割を担っています。

酸素は細胞の代謝に不可欠であり、毛髪の成長を促進します。毛細血管が毛包に十分な酸素を供給することで、毛髪の健康な成長が支えられます。

また、ビタミン・ミネラルなど毛髪の成長に必要な栄養素も、毛細血管を通じて毛包に供給されます

これにより、毛髪が強く健康に成長していくことが可能となります。

毛細血管は「老廃物の排出」を排出する

毛細血管は、毛包に酸素や栄養を供給するだけでなく、老廃物の排出にも重要な役割を果たしています。

毛包の代謝活動で生じた老廃物や二酸化炭素は、毛細血管を通じて運び出されて、体外へと排出されます。このプロセスがスムーズに行われることで、毛包内の環境が整えられ、健康な毛髪の成長が促されていきます。

ミノキシジルの効果

ミノキシジルは元々血圧コントロールの薬を開発する過程で発見された成分のため、毛細血管などの血流の改善を通して、髪に栄養素を行き届きやすくすることで発毛効果を発揮するAGA治療薬です。

ミノキシジルの効能発揮プロセス

① 血管が拡張する
② 血行が良くなり血流が増える
③ 毛髪が毛細血管から栄養を受け取りやすくなる
④ 発毛効果を発揮

ミノキシジルの直接的作用

髪は、頭皮の毛穴から発毛し、成長した後は自然と抜け落ち、再び同じ毛穴から新しい毛髪が生えてきます。

この「成長期→退行期→休止期」という繰り返しのことを、ヘアサイクルといいます。

ミノキシジルは毛包に直接作用することで、細胞増殖やタンパク質合成を促進し毛包を活性化させ、ヘアサイクル内の休止期から成長期への移行を促進することで発毛促進作用を発揮します。

また小さくなった毛包に働きかけ、大きく・太くすることで成長期を長く維持し細く軟化した毛髪を太く硬い毛に成長させます。

ミノキシジルの間接的作用

血管拡張作用により、毛包周囲の血流を改善し、毛包へ十分な栄養や酸素が供給されるように促進することで発毛促進作用を発揮します。

ミノキシジルの内服によってヘアサイクルが整い、発毛の効果が実感できるようになるまでの期間は半年程度です。ただし、 服用から数ヵ月間は一時的に抜け毛が増える 「初期脱毛」 が起こることがあります。

通常は数ヶ月以内で落ち着き、その後にはしっかりした毛が生えてきますので、驚いて中断せずに、毎日欠かさずに根気強く飲み続けていただく必要があります。

ただ、ミノキシジルは効果が出やすい分、注意事項をよく理解しておく必要があります。

ミノキシジルには血管の拡張作用があり、血圧が必要以上に下がってしまう恐れがありますので、高血圧などで通院中の方はかかりつけの医師に事前に相談しましょう。

また、アルコールにも血管拡張作用があり、ミノキシジルと併用することで一時的に血圧が下がったり、むくみが出たりする可能性があります。そのため飲酒する場合には、ミノキシジルの内服から最低7時間は空けていただくようにしてください。

植毛手術前後のケアによる血行促進

移植された毛髪が定着し成長していくには、移植部位への十分な血液供給が必要です。

手術前後の適切なケアや治療により、血流が促進され、移植された毛髪の定着と成長が支えられます。

AFTERの炭酸泡もこシャンプーの使用により、頭皮から炭酸ガスが吸収されることで血中の二酸化炭素が増加し、それと引き換えに皮膚細胞内へ酸素が送り込まれていきます。酸素供給が増えることで毛細血管が拡張し、皮膚細胞の血行が促進されて効果を発揮します。

また、ミノキシジルの内服は既存の毛細血管を太くし血流促進に繋がりますので自毛植毛とセットにするとより定着率が高くなります。

自毛植毛とミノキシジル内服・炭酸泡もこシャンプーは最強の組み合わせ

自毛植毛の成功には、移植先の毛細血管が健康であることが重要で、それが定着率向上につながります。そのため、毛細血管を活性化させる作用があるミノキシジルとの相性が非常に良いです。

さらに、炭酸泡もこシャンプーも重要な役割を果たします。植毛前(1ヶ月前が目安)の使用によりドナーの頭皮環境を植毛に適したものに整え、植毛後(2週間経過後が目安)の使用により移植した毛髪の発毛促進に繋がります。

植毛手術前にミノキシジルを内服して既存の毛細血管を太く逞しくしておくことが鍵となります。タイミングとしては、植毛手術の1ヶ月前より内服開始していただくことをお勧めします(※手術の1週間前には別途中止が必要)。

また、植毛後もミノキシジルの内服を継続することで、毛包への血流が活発化され酸素や栄養が十分に供給されやすくなるため、より健康で太い毛髪を作り出すことが出来ます。

ミノキシジルの服用に健康上の問題がない方は、自毛植毛とミノキシジルの相乗効果で定着率を最大限に高めることが期待できます。

【記事監修医】竹林 紅|AGAクリニック院長
弘前大学医学部卒。MBA、PhD取得、社会医学系専門医・指導医。 2022年より自身のAGA治療を開始。2023年から大手AGAクリニックの院長として年間100人以上の患者の治療に携わる。自身の経験を活かし、患者一人ひとりに寄り添った治療を提供。AGA治療の成功が患者の笑顔を増やすきっかけになることを願い、日々の診療に取り組んでいる。