「亜鉛は薄毛に良いと聞くけど、取りすぎると逆効果なの?」
「亜鉛の役割や適切な摂取量を知りたい」
亜鉛は髪の毛の生成に欠かせない栄養素です。しかし、過剰摂取してしまうとはげる原因になるのも事実です。
本記事では、亜鉛のはげや薄毛における役割や適正量について紹介します。亜鉛が含まれる主な食品と効率的な摂取方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
コンテンツ目次
亜鉛のはげや薄毛における3つの役割
亜鉛は髪の毛に対してどのような働きをするのでしょうか。亜鉛のはげや薄毛における主な役割は以下の3つです。
- 髪の毛を生成する
- ヘアサイクルを正常化する
- 5αリダクターゼ酵素を抑制する
髪の毛を生成する
亜鉛は髪の毛の生成に必須な栄養素です。
髪の毛はケラチンを主成分として生成されます。ケラチンは、アミノ酸が再結合して作られる物質で、食物からは直接取り入れられません。
そこで必要とされるのが亜鉛。亜鉛は、アミノ酸をケラチンへと再結合する際に必要な栄養素です。
髪の毛を生成するために、アミノ酸の元となるたんぱく質と亜鉛をバランス良く摂取しましょう。
ヘアサイクルを正常化させる
亜鉛には、ヘアサイクルを正常化させる働きがあります。
ヘアサイクルが成長期に入ると、毛母細胞は髪の毛を生やすために細胞分裂を繰り返します。この毛母細胞の分裂には亜鉛の働きが必須です。
亜鉛が不足してしまうと成長期が短くなってしまい、ヘアサイクルが乱れてしまうため、亜鉛はヘアサイクルの正常化に不可欠な栄養素です。
5αリダクターゼ酵素を抑制する
亜鉛には5αリダクターゼ酵素を抑制する働きもあります。
5αリダクターゼ酵素は、男性ホルモンのテストステロンと結びつくことで、ヒドロテストステロン(DHT)を生み出す酵素です。
DHTは薄毛促進の原因となる男性ホルモンで、「薄毛ホルモン」とも呼ばれています。そのため亜鉛を摂取することは、薄毛の原因となるDHTの抑制につながります。
亜鉛不足は髪の毛だけでなく身体全体に影響する
亜鉛不足は髪の毛だけでなく身体全体に影響を与えます。
亜鉛不足で生じる体の不調は以下のとおり。
- 脱毛
- 爪や皮膚の異常
- 味覚異常
- 舌のピリつき
- 貧血
- 食欲不振・下痢
- ED(男性)
亜鉛は身体が正常に機能するうえで欠かせないミネラルの1種です。健康的な体内環境を作る上で、亜鉛の摂取は欠かせません。
ただし亜鉛の過剰摂取ははげる可能性がある
亜鉛は髪の毛だけでなく、体全体の健康のためにも欠かせない栄養素です。しかし、亜鉛の過剰摂取ははげるリスクを高めてしまう恐れがあります。
亜鉛の過剰摂取が逆効果になる理由
亜鉛の過剰摂取には、さまざまな副作用を引き起こすリスクがあります。
起こりうる副作用の中で、はげる原因につながるのが貧血です。髪の毛を生成する毛母細胞が正常に働くためには、頭皮から十分な栄養素を受け取る必要があります。そしてこの栄養素は、頭皮の毛細血管に流れる血液に乗って運ばれます。
亜鉛の過剰摂取によって貧血を起こしてしまうと、頭皮に十分な血液が流れないため、毛母細胞は必要な栄養素を受け取れません。その結果、髪の毛が正常に作られず、はげや薄毛が進行してしまいます。
亜鉛の過剰摂取による影響
亜鉛の過剰摂取は健康に様々な悪影響を及ぼします。亜鉛の過剰摂取による身体への影響は以下のとおり。
- 貧血
- 骨異常
- 毛髪異常
- 白血球減少
- 好血中減少
- 心血管系・神経系の異常
- 成長障害
健康のためを思って亜鉛を摂取したとしても、適正量以上の摂取は身体全体に異常を引き起こしかねません。
髪の毛だけでなく、体の健康を守るためにも適正量を守って亜鉛を摂取しましょう。
亜鉛の適切な摂取量【男性・女性別】
厚生労働省が発表した日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、1日当たりの亜鉛の推奨量は以下のとおりです。
カテゴリ | 推奨摂取量 |
---|---|
男性(18〜74歳) | 11mg |
男性(75歳以上) | 10mg |
女性(18歳以上) | 8mg |
また、過剰摂取を防ぐ量として設定されている耐容上限量は、以下のとおり明記されていました。
カテゴリ | 耐容上限量 |
---|---|
男性(18〜29歳) | 40mg |
男性(30〜64歳) | 45mg |
男性(65歳以上) | 40mg |
女性(18〜74歳) | 35mg |
女性(75歳以上) | 30mg |
上限の摂取量を超えると過剰摂取となるため、注意しましょう。
亜鉛を豊富に含む食品一覧
亜鉛を豊富に含む食品は、以下のとおりです。
食品名 | 100g当たりの亜鉛含有量 |
---|---|
小麦胚芽 | 14.6mg |
牡蠣 | 13.2mg |
ビーフジャーキー | 8.8mg |
かぼちゃの種 | 7.5mg |
牛ミンチ | 7.5mg |
煮干し | 7.2mg |
ピュアココア | 7.0mg |
豚レバー | 6.9mg |
抹茶 | 6.3mg |
ごま | 5.9mg |
牛肩肉 | 5.7mg |
牛肩ロース | 5.6mg |
アーモンド | 4.4mg |
卵黄 | 4.2mg |
主に、小麦胚芽や牡蠣、牛肉、ナッツや種子類に亜鉛が多く含まれています。
また、亜鉛が多く含まれている食品は燻製されることで亜鉛含有量が増えます。亜鉛を効率よく摂取したい場合は、燻製された食品を摂取してみてください。
亜鉛を上手に摂取するポイント
亜鉛は、普段の食事だけで必要量を摂取するのは難しく、不足しがちな栄養素の代表格として知られています。
そこで、亜鉛を効率よく摂取するためのポイントを2つ紹介していきます。
- ビタミンC・クエン酸と一緒に摂取する
- サプリメントを使用する
ビタミンCとクエン酸の摂取で吸収率がアップする
亜鉛はビタミンCとクエン酸と一緒に摂取することで、吸収率がアップします。
ビタミンCやクエン酸は、レモンやオレンジなどの柑橘類に豊富に含まれています。生牡蠣にレモン汁をかける食べ方がありますが、これは亜鉛を摂取するうえで有効です。
また、ビタミンCやクエン酸は髪の毛の生成に必要な栄養素でもあるため、薄毛予防の観点からも摂取したい栄養素と言えるでしょう。
一方、カフェインやカルシウム、食物繊維は亜鉛を体外へ排出する働きをもつ栄養素です。
亜鉛を効率よく摂取したい場合は、これらの栄養素の摂取量にも気を配りましょう。
サプリメントの使用も検討する
日々の食事だけで亜鉛を摂取するのが難しい場合は、サプリメントの使用も検討してみてください。
サプリメントを使用することで、短時間で手軽に亜鉛を摂取できます。また、ビタミンCやクエン酸を含むマルチビタミンなどと一緒に摂取することで、亜鉛を効率的に吸収できます。
ただし、サプリメントは手軽な分、過剰摂取には注意しなければいけません。サプリメントを使う場合は、亜鉛の含有量をよく調べたうえで使うようにしましょう。
また、前述したように、亜鉛はカフェインと同時に摂取すると体外へ流れやすくなります。そのためサプリメントを飲む際は、コーヒーや緑茶ではなく水で飲むようにしましょう。
まとめ:亜鉛を適切に摂取して薄毛対策をしよう
亜鉛は髪の毛の生成に不可欠であるため、はげや薄毛の対策として積極的に取り入れたい栄養素です。ただし、過剰摂取をすると身体全体の健康を脅かす恐れがあります。
亜鉛をはじめとする栄養素は、適正量を守って摂取するようにしてください。